【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【岐阜】杉原千畝記念館 岐阜県八百津町

【岐阜】杉原千畝記念館 岐阜県八百津町

ジャンル・エリア : グルメ | 展示 | 岐阜 | 歴史 | | 自然  2015年12月17日

杉原千畝記念館で足跡を記したパネルに見入る入館者

杉原千畝記念館で足跡を記したパネルに見入る入館者

「苦渋の決断」に思いはせ

 第2次世界大戦中にユダヤ人をナチス・ドイツの迫害から救った元外交官・杉原千畝(1900~86年)の出身地・岐阜県八百津町。9月に杉原氏が発給したビザなどの関連資料が国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産の国内候補に選ばれ、さらに今月になって映画「杉原千畝」が公開されるなど、町の注目度も高まっている。

 杉原千畝記念館は、午前にもかかわらず、入館者が後を絶たない。記憶遺産の国内候補に決まってから、入館者は例年の3倍のペースの伸びだという。杉原氏の生涯を当時の世界情勢などとともにパネルで紹介している。「命のビザ」と呼ばれる杉原氏がユダヤ人に発給したビザや杉原氏直筆の手記などもあり、時間をかけて回る人が目立った。

 奥にある苦渋の決断を再現した「決断の部屋」には、杉原氏の映像と肉声が流れ、神妙な表情で見入る人たち。杉原氏は幼少期に八百津町で暮らし、その後、父の仕事の関係で、三重県や名古屋市で生活したという。戦後に外務省を退官してからも、たびたび、この町を訪れたという。小学生の孫を連れて訪れた愛知県豊田市の夫婦は「館内を回って、杉原さんの勇気ある行動にあらためて、驚きました」と静かに話していた。

滝を縫うように遊歩道がある五宝滝

滝を縫うように遊歩道がある五宝滝

 新名所があると聞き、丸山バイパスにある新旅足(たびそこ)橋へ。橋脚の高さは約100メートル、旅足川まで約200メートル。歩道もあって中央部に立って下を見ると、高度感に足がすくむ思いだった。次は剣豪・宮本武蔵が修行したといわれる五宝滝へ向かった。5つの滝を巡る1周2キロある遊歩道を1時間かけて歩いた。モミジは既に散っていたが、3段に流れ落ちる滝は神秘的だ。中央部を横断する橋もあって、いろいろな角度から滝をながめられる。

 忘れてはいけないのが、せんべい。同町は小麦粉のせんべいの主力産地で、のぼりを立てた直売場も多い。「町の駅 天晴(あっぱれ)」に日の丸製菓の直売店「八百津せんべい本舗」に立ち寄ってみた。市価よりも割安とあって、いろいろなせんべいを試食してから、まとめ買いをする人たち。売れ筋は古くからある「落花せん」で、懐かしい甘さと歯応えがたまらなかった。

 道行く旅人に対して、出会った人はいずれも親切で、心が洗われる思いだった。杉原氏の心根は町民にも受け継がれているのかもしれない。それが1番、大きな遺産なのかもしれないと思った。 (柳沢研二)

 ▼メモ 八百津町へはマイカー利用が便利で、東海環状道・可児御嵩ICから国道21号バイパスを経て約25分。杉原千畝記念館の入館料は高校生以上300円、小中学生100円。開館は午前9時半~後5時。月曜定休。年内は27日まで。新年は6日から。同記念館(電)0574(43)2460。八百津町役場産業課(電)0574(43)2111。八百津せんべい本舗ではせんべいのほか、地酒や酢など地元名産品も扱っている。(電)0574(43)1117

(中日新聞夕刊 2015年12月17日掲載)

さまざまなせんべいが並ぶ八百津せんべい本舗の店内=いずれも岐阜県八百津町で

さまざまなせんべいが並ぶ八百津せんべい本舗の店内=いずれも岐阜県八百津町で

目的で旅を選ぶ
気分で旅を選ぶ
旅コラム
国内
海外