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【京都】禅寺の襖絵めぐり 京都府京都市

ジャンル・エリア : 展示 | 歴史 | 神社・仏閣 | 芸術 | 近畿  2016年01月21日

栄西禅師が眠る建仁寺=京都市東山区で

栄西禅師が眠る建仁寺=京都市東山区で

特別公開の傑作間近で

 京都市と市観光協会の「京の冬の旅キャンペーン」が50回目を迎え、禅寺を中心に普段は見ることのできない文化財の特別公開がある。これに合わせて設けられた定期観光バスで禅寺の襖絵(ふすまえ)を観賞できる「みやびコース」に参加した。

 JR京都駅烏丸口乗り場を出発して、京都最古の禅寺建仁寺へ。特別公開の開山堂では、日本に禅宗をもたらした開山の栄西禅師を埋葬した石壇が置かれ厳かな雰囲気が漂う。客殿には江戸期の絵師たちの襖絵があり、狩野派の加藤文麗作の「龍虎(りゅうこ)図」が目に留まった。雲間に現れた龍が力強い墨の筆致で描かれ、今にも襲いかかってきそうな迫力に圧倒された。

 続いては、約10万坪の敷地の禅宗寺院・妙心寺へ。見学前に同寺近くの精進料理「阿じろ」で昼食。白あえ、ごま豆腐、高野豆腐、丸大根の煮物など、旬の京野菜をふんだんに使ったこくのある味わいだった。

 

 

 特別公開の同寺天球院では、絢爛(けんらん)豪華な襖絵があり、禅寺にはめずらしい金碧(きんぺき)障壁画という。同ツアーの目玉の一つ狩野山楽・山雪の傑作といわれる「梅に遊禽(ゆうきん)図」(重要文化財)は、大きくうねりながら幹を伸ばす老梅とキジ、ハト、マガモなどが描かれている。「竹虎図」(重要文化財)は竹林にたたずむ虎の親子が、ユーモラスな表情で描かれ、ほのぼのとした気分に。歴史好きという京都学生ガイド協会の森下朝子さん(京都女子大2年)が丁寧にガイドしてくれた。同寺玉鳳院でも狩野派の襖絵が見事だったが、裏庭にひっそりと織田信長や武田信玄らの石塔(墓)が並んでいるのを見つけた。信長の石塔は各所にあるといわれているが、ここでは、武田一族の隣にある。

 相国寺長得院は、幕末に活躍した岸連山の「山水図」や「水辺虎図」など、柔和な筆致の襖絵が特徴。ほとんどが廊下からの観賞となるが、ツアーの男性参加者は「京都の冬を感じながら、人の少ないときには、腰を下ろして、ゆっくりと観賞するのもいいですね」と話していた。襖絵で部屋は一つの世界に彩られ、その奥行きの深さに驚いた。外に目を移せば、禅寺ならでは庭園もながめられる。

特別公開されている妙心寺天球院にある「梅に遊禽図」=京都市右京区で

特別公開されている妙心寺天球院にある「梅に遊禽図」=京都市右京区で

 冬の京都の寒さ対策は足元から。靴を脱いでの観賞が多いので、厚手の靴下をはくだけで、ずいぶん違うという。冬ならではの静かな京の旅だった。 (柳沢研二)

 ▼ガイド 京都市と市観光協会が主宰する京都定期観光バスは京阪バスが運行。今回の「みやびコース」のほかに、京の本山、国宝・重文を訪ねる「うるわしコース」、禅寺の名宝と庭園を訪ねる「やすらぎコース」、老舗の味と世界遺産を訪ねる「あじわいコース」がある。いずれも3月18日までの毎日開催。出発は午前10時~10時半、所要時間は5時間~6時間半。1人9000円。予約しておくのがお勧め。予約センター(電)075(672)2100

(中日新聞夕刊 2016年1月21日掲載)

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