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【滋賀】盆梅と鴨 滋賀県長浜市

ジャンル・エリア : グルメ | 歴史 | | 近畿  2016年02月04日

風情ある座敷に古木が並ぶ盆梅展会場=滋賀県長浜市で

風情ある座敷に古木が並ぶ盆梅展会場=滋賀県長浜市で

座敷の古木に清楚な花

 湖北の冬は、昭和の時代から盆梅と鴨(かも)料理が秀逸だ。平成の間にすっかり観光地と化した滋賀県長浜市の旧市街地を訪れた。

 盆梅展会場は、明治天皇を迎えるために建てられた迎賓館「慶雲館」で、2階建て寄せ木造り。命名は伊藤博文初代首相、池泉回遊式庭園は国の名勝と格付けはこの上ない。

 靴を脱いで上がると、座敷の両端に紅白の巨木が並ぶ。盆梅とは「盆栽の梅」なのだが、鉢の大きさからしてスケールが違う。枯れ朽ちたような幹の、樹齢数百年の古木に清楚(せいそ)な白い花がほころんでいる。カメラを手にした団体客に交じって、和服姿で短冊を手にした人も。漂う甘い香りもまた風流だ。

 盆梅は300鉢を開花時期に合わせて何度も入れ替え、常に90鉢ほどを展示する。高さ2.8メートルで見事な枝ぶりに八重の薄桃色の花を咲かせる「さざれ岩」や、樹齢400年を超える八重の紅梅「高山」といった大物すべてを見るのには3度くらい通わねば。のどかな春をイメージした寄せ植え、ひな飾りに見立てたセットなど趣向を凝らした展示もあった。

 1年を通して盆梅を世話するのは長浜観光協会副参事の小川喜弘さん(51)。いただいた名刺の肩書は「花咲(はなさか)おじさん」とノリがいい。次代を担う鉢や、圃場(ほじょう)で栽培する苗木も含めて計2000本を管理。「家族より一緒にいる時間が長い。自分の子ども以上の存在」と笑わせた。

 湖北では冬に鴨を食べる風習がある。かつて琵琶湖で捕獲していて、1971年に禁猟となったが、北陸や近県からの鴨肉が今でも鮮魚店に並ぶ。観光協会のちらしには鴨料理を出す16店と肉を売る2店が紹介されている。大通寺の表参道にあり、一人鍋もある人気店「住茂登(すみもと)」を選んだ。

3つの部位の鴨肉が味わえる一人鍋=滋賀県長浜市の住茂登で

3つの部位の鴨肉が味わえる一人鍋=滋賀県長浜市の住茂登で

 「うちは天然の真鴨しか使いません」と料理旅館時代からの伝統を受け継ぐ3代目の藤林茂さん(66)。一人鍋には、弾力のある「だき身」(胸肉)、骨ごとミンチにした食感のいい「たたき」とネギなどの野菜が入る。別皿に盛られたロースは、しゃぶしゃぶにして食べる。柔らかく、野趣ある肉の味が、だしとともに口中に広がった。

 一品料理で肝焼きを注文すると、やはりネギが添えられている。背負ってやってくるほど鴨とネギの相性は最高。藤林さんは、「(琵琶湖で捕れた)昔は鴨はいくらでもあった。だからネギが先。ネギが手に入ると鴨を撃って食べた」と真顔で語った。 (小畑一成)

 ▼メモ 慶雲館はJR長浜駅から徒歩3分、北陸道・長浜ICから車で10分。盆梅展は3月13日まで(期間中は無休)。開館は午前9時~午後5時(入館は4時半まで)、週末は午後8時半まで延長し、庭園をライトアップする。観覧料は高校生以上500円、小中学生200円。俳句募集や写真コンテストもある。長浜観光協会(電)0749(65)6521。住茂登はJR長浜駅から徒歩8分。鴨料理は11~3月上旬。鴨うどん1500円、鴨の一人鍋2500円、鴨鍋6000円、鴨のフルコース1万2000円など(いずれも税別)。午前11時半~午後9時。不定休。(電)0749(65)2588

(中日新聞夕刊 2016年2月4日掲載)

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