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【長野】ちぎり絵模写、原田泰治美術館で展示へ 池田町の80代兄弟

ジャンル・エリア : 展示 | 甲信越 | 芸術  2016年03月03日

田中至さんの作品を手に「障害がありながら作り上げた努力と作品の美しさを見てほしい」と話す原田さん=諏訪市内で

田中至さんの作品を手に「障害がありながら作り上げた努力と作品の美しさを見てほしい」と話す原田さん=諏訪市内で

 生まれつき聴覚に障害がある池田町の田中至さん(88)と等さん(86)の兄弟が、画家原田泰治さんの作品を模写して制作したちぎり絵の作品展が9日から、諏訪市渋崎の原田泰治美術館で開かれる。原田さんは「模写ではあるけど、兄弟だけの世界が築き上げられている。障害がありながらこつこつ作り上げた努力と作品の美しさを見てもらいたい」と呼び掛けている。

 至さんと等さんは、約20年前に、ほぼ同時にちぎり絵を始め、草花などを題材に、それぞれの世界で制作に励んだ。やがて、原田さんの作品の模写に互いに競うようにして取り組み、ちぎり絵の制作から遠ざかった十数年前まで続いたという。

 集まった近所の人々に花嫁があいさつする様子を描いた至さんのちぎり絵は、原田さんが表現した田園に生きる人々の素朴な表情を、細かくちぎって貼り付けた和紙で精密に再現している。

 2人の世話をする妹の宮田米子さん(78)=池田町=は「兄たちは、原田さんが描く郷愁あふれる田園風景から、何かを感じ取っているのかもしれない」と話す。

 今回の作品展は、至さんと等さんが昨年11月に町内のギャラリーで作品展を開催し、本紙がそれに合わせて原田さんに取材したのがきっかけとなり、2人の存在を知った原田さんが開催を持ち掛けて実現した。

 両足が不自由で車いすを使う原田さんは、「家の外壁の板など細かい部分まで精緻に再現している。障害で生き方が限定されていたからこそ、ちぎり絵という表現手段に全力を投じられたのだろう」と2人に思いを寄せる。宮田さんは「兄たちの作品が感動を届けることができれば」と作品展に期待した。

 作品展は4月17日までで、約40点を展示する。入場料は一般820円、中学・高校生410円、小学生200円。月曜定休。(問)原田泰治美術館=0266(54)1881

 (林啓太)

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