【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【富山】清水巡り 富山県黒部市

【富山】清水巡り 富山県黒部市

ジャンル・エリア : グルメ | 富山 | 特産  2016年10月06日

まろやかな味わいの岩瀬家の清水

まろやかな味わいの岩瀬家の清水

北アルプスの恵み堪能

 北アルプスの伏流水が町のいたるところからわき出て、「名水100選」にも選ばれている富山県黒部市生地(いくじ)を訪ねた。

 富山湾に面した海岸から入り組んだ場所にある黒部漁港を取り囲むように民家が肩を寄せ合うように立つ。生地では、わき水を清水(しょうず)と呼び、古くから人々の暮らしにとけ込んでいる。一般的な清水はステンレス製で4層式となっていて、上が飲み水、下は洗濯物用などと、使用には暗黙のルールがある。観光客も立ち寄れる約20カ所の清水が整備されている。

 漁港の市場近くにある魚の駅「生地」を発着点にいくつかの清水を巡るコースがある。まず10分ほど歩いて、日本酒の蔵元・皇国晴(みくにはれ)酒造の敷地内にある「岩瀬家の清水」へ。酒の仕込み水にも使われる2つの清水があって飲み比べができた。まずはすっきりとした水。続いて、地下150メートルからわき出ている水を口に含んでびっくりした。まろやかで同じ水とは思えない。だし汁かと思うほどのこくの深さ。生地まち歩きガイド会長の米屋清美さんは「お茶や煮物など、料理によって清水を使い分けている人もいるんですよ」と教えてくれた。いろいろな口あたりの水を使うなんて、なんともぜいたくな話だ。

豊富なわき水が出る清水庵の清水で談笑する加藤久仁夫さん(左)ら

豊富なわき水が出る清水庵の清水で談笑する加藤久仁夫さん(左)ら

 「清水庵の清水」へ向かうと、洗濯のすすぎを終えたおばあちゃんとすれ違った。ごぼごぼとわき出る清水では、大きなペットボトルに水をくんでいる男性がいた。同市石田地区の加藤久仁夫さん(51)で「石田地区にもわき水はありますが、生まれ育ったここの水じゃないといけません。味はうまく説明できませんが」と話していた。清水は地元の人たちによって、美しく清掃されている。太陽の光を受けた流れの透明度は高い。一見、同じに見えても、その味わいはそれぞれ違う。歩きながらの水の飲み比べは初めてだった。

 魚の駅「生地」に戻る。くろべ漁協直営の施設とあって、水揚げされたばかりの新鮮な魚介類が並ぶ。フクラギ(ブリの若魚)、サゴシ(サワラの若魚)が廉価で並んでいた。キジハタなどは生きたまま売られていた。炭火焼きレストランやすし居酒屋もあるので、清水巡りの後は、富山湾の海の幸をさかなに名水仕込みの地酒も味わえる。 (柳沢研二)

 ▼メモ 生地の清水は、生地まち歩きガイドの案内で巡ることができる。ガイド1人につき1000円。黒部市商工観光課(電)0765(54)2611。魚の駅「生地」は鮮魚や土産が並ぶ「とれたて館」が午前9時~午後6時、すし居酒屋、炭火焼きレストランがある「できたて館」が午前11時~午後10時。年中無休。「とれたて館」(電)0765(57)0192

(中日新聞夕刊 2016年10月6日掲載)

新鮮な富山湾の魚介類が並ぶ魚の駅「生地」=いずれも富山県黒部市生地で

新鮮な富山湾の魚介類が並ぶ魚の駅「生地」=いずれも富山県黒部市生地で

旅コラム
国内
海外