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【石川】写真表現の変化 写し出す ドイツの写真家・ルフさん

ジャンル・エリア : 展示 | 石川 | 芸術  2016年12月11日

報道写真などを引き伸ばした作品などが並ぶトーマス・ルフ展=金沢21世紀美術館で

報道写真などを引き伸ばした作品などが並ぶトーマス・ルフ展=金沢21世紀美術館で

21美で国内最大規模個展

 現代の写真表現をけん引するドイツの写真家トーマス・ルフさん(58)の個展が10日、金沢市の金沢21世紀美術館で始まった。ルフさんの回顧展として国内で最大規模の展示。1990年代以降の写真の潮流、技術の進化に伴う写真表現の変化と多様な側面を再認識させる。

 先月まで東京国立近代美術館で開かれていた展覧会の巡回展。初期から最新作まで主要18シリーズの作品を集め、金沢では東京を約30点上回る約160点を展示した。

 ルフさんの代名詞とも言える「ポートレート」のシリーズは、人物を正面から撮影した肖像写真。構図は証明写真と同じだが、縦2メートル以上の巨大サイズに引き伸ばすことで、単なる人物を写した友人の肖像を超え、別の表現になることを明示する。

 米国航空宇宙局(NASA)が公開した宇宙探査船撮影の土星の写真素材を加工した「カッシーニ」、湾岸戦争で知られることになった高感度カメラで街並みを撮影した「夜」、あえてデジタル写真の解像度を変化させてモザイクを強調、その特性を明らかにして見せる「jpeg」の各シリーズなどが並ぶ。

 古い報道写真から写真説明を取り去って並べることで1枚1枚が別の様相を見せる「ニュースペーパー・フォト」は、メディアや言葉と写真との関係性を問い直しているようだ。

 ルフさんは内覧会で「この35年間のテクノロジーの進化と写真への影響を見てもらえるのではないか」と話した。展示は来年3月12日まで。

 1月28日午後2時から、清水穣・同志社大教授によるレクチャー「アイデンティティーの写真から、写真のアイデンティティーへ」がある。 (松岡等)

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