【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【三重】熊野古道伊勢路の馬越峠 三重県尾鷲市、紀北町

【三重】熊野古道伊勢路の馬越峠 三重県尾鷲市、紀北町

ジャンル・エリア : 三重 | | 自然  2016年12月15日

熊野古道について学ぶことができる三重県立熊野古道センター=尾鷲市で

熊野古道について学ぶことができる三重県立熊野古道センター=尾鷲市で

江戸の風情漂う石畳

 三重県尾鷲市と紀北町の境にある熊野古道伊勢路の馬越(まごせ)峠は江戸期に整備された石畳の美しさで知られる。ヒノキの美林を縫うよう石畳の古道を行くと、熊野灘の絶景に出合える。

 熊野古道伊勢路は世界遺産に登録されている「紀伊山地の霊場と参詣道」の1つ。江戸期に庶民が伊勢参りを終え、熊野へ向かうために利用された。初挑戦の人は、まず尾鷲市の県立熊野古道センターに立ち寄ってみよう。尾鷲ヒノキをふんだんに使った木造で、広々としたスペースには古道、周辺の自然、歴史、文化を紹介する展示が充実しているほか、図書資料室には関連の本も豊富にある。古道のマップ付きパンフレットなどが入手でき、職員がアドバイスしてくれる。

 熊野古道初挑戦の私に職員が勧めてくれたのは、最も人気が高いという馬越峠。JR相賀(あいが)駅から尾鷲駅までの古道を含むウオーキングルートの一部で、国道42号脇にある紀北町の登り口からスタートする。林に入ると、びっしりと敷き詰められた石畳が続く。周辺の自然石を利用したとあって、よく見ると、表面には凸凹があって大きさもさまざまだ。途中まで同行してくれた同センターの橋本博さん(48)は「ここは日本有数の多雨地域のため、道の流失を防ぐために石を敷いたのです」と教えてくれた。

馬越峠に続く石畳の熊野古道伊勢路を歩く大学生の2人=三重県紀北町で

馬越峠に続く石畳の熊野古道伊勢路を歩く大学生の2人=三重県紀北町で

 真っすぐに伸びた尾鷲ヒノキの間から木漏れ日が差し、前夜の雨でぬれた石畳が光る。道の脇にはシダ植物が生い茂り、今にも向こうから江戸の旅装束の人が現れそうな雰囲気だ。大学生の男性2人組に出会った。「就職が決まってのんびりしたくて訪ねました。癒やしというか、パワーをもらえますね」と軽やかな足取り。まだ10分ちょっとしか歩いていなかったが、こちらは既に汗だく。

 子どもの夜泣き封じの伝承がある「夜泣き地蔵」で休憩。当初はここで引き返す予定だったが、せめて峠までと欲が出てしまった。近くにある小沢を渡ると急登が続く。大人2人でやっと抱えられるようなヒノキの美林を抜けると、やっと馬越峠に到着。茶屋跡や句碑があり、木々の間から尾鷲の町並みが望める。スタートしてから1時間半もかかってしまった。

 ここから東に30分歩けば尾鷲市街地を一望できる天狗倉(てんぐら)山、西に2時間歩けば大石の上に立って熊野灘が望める便石(びんし)山という絶景スポットがある。大学生の2人は天狗倉山に寄ってから尾鷲市街に下ると言っていたが、日没が近かったので、来た道を戻ることにした。急な下りもあって、ぬれた石畳で尻もちをつきながらも約3.5キロを歩き終えた。後日、筋肉痛になりながらも、いつかあの2つの絶景スポットにと思いは膨らむ。  (柳沢研二)

 ▼ガイド 馬越峠をじっくり歩くならJR相賀駅から尾鷲駅まで約6.5キロ、2時間半のコースがお勧め。ドライブついでに少し歩いて石畳をながめるなら、道の駅海山-夜泣き地蔵の約1.2キロのコースがいい。県立熊野古道センターは紀勢道・尾鷲北ICから約10分。開館は午前9時から午後5時まで。17日から2017年2月26日まで開館10周年を記念した企画展が開かれている。入場無料。(電)0597(25)2666。センター敷地内には、尾鷲の家庭料理が味わえるランチバイキングや海洋深層水の温浴施設がある。夢古道おわせ(電)同(22)1124

旅コラム
国内
海外