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【三重】滝原宮 三重県大紀町

ジャンル・エリア : グルメ | 三重 | 神社・仏閣 | 自然  2017年02月02日

静寂感漂う滝原宮に参拝する人たち

静寂感漂う滝原宮に参拝する人たち

森の静寂に包まれて

 三重県大紀町の滝原宮は伊勢神宮内宮の最古の別宮で、元伊勢と呼ばれる。にぎやかな門前町はないものの、素朴な市があり、何よりも静かにお参りできるのが口コミで広がり人気スポットとなっている。

 滝原宮に隣接するのが、道の駅「奥伊勢木つつ木館」で、ここに駐車して参拝する人が多い。取材日には「たいき楽市」が開かれていて、地元の6グループが軽ワゴン車のハッチを開け、手作りのすしや干物、大判焼き、お茶などを出店していた。

 熊野灘に面した同町錦地区の谷口江さん(75)は、さばずしや手こねずし、干物を販売。威勢よく「食べてってや」とどんどん試食させてくれるのはいいのだが、満腹になってしまった。お土産にと1枚60円のアジの干物を購入した。

 道の駅から数百メートル歩いて、滝原宮一の鳥居をくぐって参道に入ると周囲は深い森(宮域44ヘクタール)で、樹齢数百年のスギやヒノキに交じって、カシなどの照葉樹が茂る。やがて谷川のせせらぎが聞こえた。石の階段を下りると、御手洗場があり透明度の高い水にびっくり。

 伊勢神宮内宮に比べて規模は小さいものの雰囲気が似ている。式年遷宮も伊勢神宮の1年後にあり、最近では2014年にあったばかり。案内していただいた同町文化財調査委員の中瀬秀夫さん(75)は「滝原宮は伊勢神宮内宮の原型ですね」と語る。

 行き交う人もまばらで、風で木々がざわめき、谷川のせせらぎが耳に心地良い。森の鼓動が聞こえるような一体感がある。400メートルほど歩くと、玉石の上に神明造りの社殿2つが見えてきた。向かって右が滝原宮、左が滝原並宮(ならびのみや)。参拝を終えた東京から来たという年配夫婦は「にぎやかな伊勢神宮内宮もいいですが、この静寂感に感激しました」とすがすがしい表情だった。

 滝原宮を後にし、同じ読みで気になっていた多岐原神社(同町三瀬(みせ)川地区)にも立ち寄った。のちに滝原宮や伊勢神宮を造らせた倭姫命(やまとひめのみこと)を宮川の対岸に渡したという真奈胡神(まなごのかみ)を祭ってある。三瀬の渡しがあった場所近くにある小さな社殿だが、素朴なたたずまいが良かった。

深みのある味だったしし鍋とアユの塩焼き=いずれも三重県大紀町で

深みのある味だったしし鍋とアユの塩焼き=いずれも三重県大紀町で

 夕暮れに冷えた体を温めようと立ち寄ったのが、同町役場前の「かつみ食堂・旅館」。昭和の雰囲気が漂う店内で、しし鍋と天然アユの塩焼き2匹、ご飯を注文した。しし鍋はみそ仕立てで歯応えのある肉とそのエキスが染み込んだダイコンやゴボウがいける。アユは昨秋に大内山川で取れた子持ちだった。森と川からの恵みは野趣に富んだこくのある味だった。 (柳沢研二)

 ▼ガイド 「たいき楽市」は毎月第3土曜の午前9時~午後2時に開催。大紀町商工会(電)0598(74)1379。かつみ食堂・旅館の営業時間は午前10時~午後6時。しし鍋(850円)、天然アユの塩焼き2匹(1500円)。要予約。(電)0598(86)2752。観光情報は大紀町商工観光課(電)0598(86)2243

(中日新聞夕刊 2017年2月2日掲載)

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