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【岐阜】“幻の技”30年の集大成 土岐の陶芸家・柴田さん最後の個展

ジャンル・エリア : 展示 | 岐阜 | 工芸品 | 芸術  2017年02月03日

最後の個展を開いている柴田さん=土岐市下石町のギャラリー翔で

最後の個展を開いている柴田さん=土岐市下石町のギャラリー翔で

 幻の技法とされる「木の葉天目」の制作を30年近く追求し続けた土岐市下石町の陶芸家、柴田厚志さん(65)の個展が、同市下石町の「ギャラリー翔」で開かれている。体力の限界を感じて最後の個展とすることにしており、集大成の160点を紹介している。

 木の葉天目は、800年前の中国・南宋時代に江西省で焼かれたのが始まりとされる。器に本物の木の葉を焼き付ける技法で、いったん制作が途絶えたが、1940年代に京都の陶芸家で人間国宝の故石黒宗麿さんが再現に成功した。

 作品は、素焼きの生地に天目釉(ゆう)をかけて2回焼成した後、乾かしたクワ科のコウゾやウリ科のカボチャなどの葉をのせ、1200度で焼き付ける。成功すれば完成した器の表面に葉脈がくっきりと表れるが、形が崩れるなどして確率は低いという。

 柴田さんは多治見工業高校専攻科を卒業後に、家業の製陶所に入り、その傍ら自作の制作に取り組んだ。幻の技に魅了されたのは30代半ば。名古屋市内で、本場中国で制作された木の葉天目を目にして「自分でもできるかやってみたい」と決意した。

 当初の5年間は試行錯誤の連続だった。技法や使う葉を記した文献はなく、作っては失敗の連続だった。最初は100個作って3個しか葉っぱの模様が出なかった。いったんあきらめた時期もあったが、挑戦する気持ちが背中を押した。技法を確立するにつれて徐々に成功率も上がった。

 昨年10月ごろまで制作に取り組んでいたが、11月に体調を崩し、引退を決めた。会場には、葉脈や茎が美しく精巧に表現された丸皿や角皿、茶わんなどが並ぶ。「今にして思えば、よく続けてこられた。無我夢中だった。それだけ奥が深かったからかな」としみじみと語った。

 26日まで。月曜休み。午前10時~午後5時。(問)同ギャラリー=0572(57)3528

 (篠塚辰徳)

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