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【石川】能登杜氏 文化つなぐ 輪島の酒蔵 御膳料理提供へ

ジャンル・エリア : まちおこし | グルメ | 文化 | 石川  2017年03月16日

(上)御膳料理で発酵文化の発信に取り組む「かほりと醸す能登ネット」のメンバー(下)4月中旬の開店に向けて準備が進む「酒蔵座敷能登日和」=いずれも石川県輪島市町野町寺山で

(上)御膳料理で発酵文化の発信に取り組む「かほりと醸す能登ネット」のメンバー(下)4月中旬の開店に向けて準備が進む「酒蔵座敷能登日和」=いずれも石川県輪島市町野町寺山で

 石川県輪島市の女性グループ「かほりと醸す能登ネット」が、市内にある古い酒蔵で、地元食材による御膳料理の提供や日本酒を販売する交流拠点施設の開設準備を進めている。その名も「酒蔵座敷 能登日和」。4月にもオープンする予定で、発酵食文化や全国に誇る能登杜氏(とうじ)の魅力発信を目指す。(山本義久)

 市中心部から東へ約25キロの中山間地に1849(嘉永2)年創業の中納酒造がある。2002年に酒造りは終えたが、小売りや卸売り販売をしている。

 おかみの中納(なかの)瑛子さん(73)は、能登杜氏による酒造りのドキュメンタリー映画「一献の系譜」を製作した石井かほり監督から約6年前に掛けられた言葉が心に残っていた。「このままでは能登杜氏が文化遺産のようになる。伝統に触れ、受け継ぐ場所がほしい」

 能登杜氏組合によると、昨年12月1日現在、杜氏は73人、杜氏の下で働く蔵人は186人。昭和初期には合わせて約2000人いたが、激減している。

 「背中を大きく押された気がしたが、1人ではできない」。昔から一緒に郷土料理を作ってきた農家のお母さんたちに相談すると、支援の輪が広がった。酒蔵に連なる杜氏らが生活した本宅で御膳料理と酒を提供する構想が生まれた。昨年6月、60~70代の8人のほか、調理のサポート役6人の計14人でグループを結成。名称は石井監督の名前「かほり」と、酒と発酵食から「醸す」を取り入れ、能登をつなぐとの願いを込めて「能登ネット」に。代表には郷土料理作りの中心だった上谷(かみや)智恵子さん(70)が就いた。

 建物は、厨房(ちゅうぼう)や料理を味わう空間を演出するため一部を改修。市は「スローツーリズム観光の新たな拠点に」と注目し、昨年9月の補正予算に厨房などの施設整備補助費1200万円を盛り込んだ。

 上谷さんらは今月10日、完成した厨房で提供する料理を試食した。シイタケやタケノコの煮物、フキノトウやサツマイモの天ぷら、かす汁、昆布締めの刺し身など10品を輪島塗の御膳で用意。御膳は2000~2500円、日替わり定食は800~1000円を想定する。

 能登杜氏の酒は全国から12種類ほど取り寄せ販売するほか、利き酒も楽しんでもらう。「地域おこしにつながれば」と上谷さん。能登への思い、愛情がまもなく形となる。

 能登杜氏 酒造りの技能集団の統率者を杜氏、他の技術者を蔵人(くらびと)と総称して区別する。能登杜氏は、南部(岩手県)越後(新潟県)但馬(兵庫県)と並び、四大杜氏に数えられ、大吟醸酒造りの名手を多く輩出。吟醸酒造りは「能登流が一番」といわれている。

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