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【岐阜】養老天命反転地 岐阜県養老町

ジャンル・エリア : テーマパーク | 岐阜 | 芸術  2017年06月29日

写真の撮影場所として人気が出た「極限で似るものの家」の内部

写真の撮影場所として人気が出た「極限で似るものの家」の内部

SNS映えで人気再燃

 現代美術のガイド本にも登場する世界的な芸術家、荒川修作さん(1936~2010年)、妻で詩人のマドリン・ギンズさん(1941~2014年)が岐阜県養老町に造ったテーマパーク「養老天命反転地」の人気がここ数年、再燃している。開業して今年で22年。過去には「来場者が少なく寂れている」といったうわさも耳にしたが、梅雨の晴れ間の週末に訪れたところ、若者のグループやカップルでにぎわっていた。要因は昨今の例に漏れず、スマホを使った会員制交流サイト(SNS)だ。

 敷地面積1万8000平方メートル。1歩入ると平らな場所が1カ所もないという、他に類を見ない公園だ。入場口を通るとすぐ、メインの建物「極限で似るものの家」があり、内部では来場者が盛んに写真を撮り合っていた。床と天井から同じ構造物が突き出ており、写真の画面では上下が逆転しているようにも見えるのだ。

 「この対称的な構図がSNS映えするのです」と公園職員の荒木正広さん(28)。昨年には、タレント草なぎ剛さんと俳優の菅田将暉さんが訪れたバラエティー番組が全国放映され、アニメ映画「聲(こえ)の形」でも主人公たちが訪れる場面が描かれたことから、若い世代の認知度は高まる一方だという。

 外に出て斜面を登っていくと、テレビや映画に出ていた巨大なすり鉢状の「楕円(だえん)形のフィールド」がある。傾いていたり、ぐにゃぐにゃの構造物が不規則にならんでいたりと、一般的な眺めの良い景色とは違うが、木々も多く、すがすがしい気持ちになる。開業当初に来て以来、再び訪れた神戸市の男性(48)は「前にはなかった緑があり、ようやく完成されたように思う」と感激した様子だ。

 名古屋市で生まれた荒川さんは、61年に米国ニューヨークに渡り、便器を置いた作品で知られるマルセル・デュシャンと交流しながら自身の芸術作品を発表した。のちに、知覚を刺激することによって「人間は死なない」と宣言し、それを実践すべく造ったのがこの場所だった。現実には荒川さんもギンズさんも亡くなり、その考えを言葉で理解するのは少し難しい。ただ、2人が残した場所を歩くうち、船酔いとは違った、体の芯が熱くなるような不思議な感覚に気付いた。

 (南拡大朗)

巨大なすり鉢状の「楕円形のフィールド」=いずれも岐阜県養老町の養老天命反転地で

巨大なすり鉢状の「楕円形のフィールド」=いずれも岐阜県養老町の養老天命反転地で

 ▼ガイド 開園時間は午前9時~午後5時。休園日は月曜(月曜が祝日の場合は翌日)と年末年始。大人750円、高校生500円、小中学生300円。(電)0584(32)0501。養老町では今年、奈良時代の元号「養老」にちなんだ養老改元1300年祭として、さまざまな行事がある。実行委員会事務局(電)0584(32)5089

(中日新聞夕刊 2017年6月29日掲載)

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