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【三重】銚子川 三重県紀北町

ジャンル・エリア : 三重 | | 生き物 | 自然  2017年07月06日

種まき権兵衛の里前の銚子川で元気に水遊びをする子どもたち

種まき権兵衛の里前の銚子川で元気に水遊びをする子どもたち

魚丸見え 奇跡の透明度

 三重県紀北町を流れる銚子川は全域にわたって透明度の高い流れと生き物の豊富さから「奇跡の川」といわれる。子どもたちだけでなく、大人も夢中になれる川遊びスポットが点在する。

 大台ケ原を源に熊野灘に注ぐ銚子川は全長約17キロで、川遊びのできる場所は便ノ山橋から支流・又口(またくち)川の魚飛渓までの約5キロの区間に点在する。同町観光協会の西尾寛明さん(38)は「透明度の高さは周辺に民家が少ないのが大きな理由で、夏休みシーズンは渋滞ができるほど、にぎわいます」と話す。

 取材日は気温30度を超えた川遊び日和。広い無料駐車場があり、家族連れに人気がある中流の「種まき権兵衛の里」前には50人以上の姿があった。河原に立つと、川底まで見え、泳いでいる魚も確認できる。

 岩からザブンと飛び込む小学生や若者たち。その姿を遠慮気味に川につかりながらながめている体操服姿の女子生徒たち。故郷の岐阜県郡上市で、少年の頃に見た光景がここにもあった。

 三重県熊野市の男児(7つ)はお父さん(30)と魚捕りに夢中で「水中眼鏡なしでも、たくさん魚が見えるよ」と教えてくれた。「どれどれ」とのぞいてみると、ハゼ科の魚が何種類かいる。底石と同系色なのだが、透明度が高いので丸見えだ。今度は箱眼鏡を手に5センチほどのヨシノボリやチチブを網でつかまえたが、10センチほどの魚はすぐに逃げてしまう。やっと手にしたのはボウズハゼで丸顔のユーモラスな表情だった。

魚捕りに夢中の親子=いずれも三重県紀北町で

魚捕りに夢中の親子=いずれも三重県紀北町で

 一方、上流の魚飛渓は川の表情が一変し、奇岩が点在する。高さ10メートルを超える岩も多く、神楽岩やおたふく岩などの名前が付いていて、古くから、川が身近な存在だったことがうかがえる。大岩で囲まれた淵が多く、さながら「プライベートプール」といった雰囲気だった。深さ3メートルほどの淵を水中眼鏡を着けて潜ってみた。アユに交じって、ボウズハゼが必死に縄張り争いをしている。見えすぎて魚と目が合ってしまいそうだ。

 下流の汽水域では、海の水と川の水が混じって、ガムシロップのような状態になる「ゆらゆら帯」も観察できるという。魚を観察したり、清き流れに身を委ねていると、あっという間に夕暮れになった。もう1キロほど下ると熊野灘だ。今は亡き、ある川漁師の言葉を思い出した。「生きた川には夢がある」

 (柳沢研二)

 ▼ガイド 銚子川中流部へは紀勢道・海山ICで降りて5~10分。川沿いは駐車スペースが少ないので、交通の妨げにならないように配慮を。特に魚飛渓エリアはスペースが限られる。夏休み期間中は魚飛つり橋近くに臨時駐車場が開設される。飛び込みなどは、細心の注意をはらって安全に楽しむとともに、ごみは必ず持ち帰ろう。同町には海水浴場が5カ所あり、海と川の「水浴びのはしご」もできる。紀北町観光協会(電)0597(46)3555

(中日新聞夕刊 2017年7月6日掲載)

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