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【長野】ほほ笑みの道祖神街道 長野県木曽町

ジャンル・エリア : 甲信越 | 神社・仏閣 | 紅葉 | 自然  2017年10月05日

旧飛騨街道沿いにある男女一対の道祖神

旧飛騨街道沿いにある男女一対の道祖神

仲良しカップル心和む

 木曽谷で最も道祖神が多く残るという長野県木曽町の黒川地区は「道祖神街道」と呼ばれ、仲の良い男女の像が、今もほほ笑みながら道行く人や住民を見守っている。

 同地区には19体の道祖神があり、そのうち男女一対の道祖神が10体点在する。多くがお互いの肩に手を回して握手しているのだが、その表情や所作が微妙に違っているという。その表情にひかれ、各地から写真家や観光客が訪れている。

 木曽福島中心街から黒川沿いに国道361号を北に向かう。看板に導かれて、旧飛騨街道の道沿いにまず1体目を見つけた。桜の木の下に「2人」はたたずんでいた。向かって右が冠をかぶった男性、左が髪を束ねた女性が彫られている。互いに手を取り合い、肩に手を回してほほ笑んでいる。高さ約1.2メートルでしめ縄もある。

 水田やソバ畑が広がる山あいの道を行くと、こちらにも同じように手を取り合っている男女像。先ほどのとは衣装や表情が違う。かがみ込んで、じっくりとながめていると、2人の柔和な表情に、こちらまで幸せな気分になってくる。わが身を振り返り「こんな仲むつまじい時代もあったな」と感傷に浸る。

 道祖神は集落の境にある。案内していただいた町教育委員会文化財調査員の千村稔さん(70)は「この土地は男女の仲が良いから邪悪な神は入る余地がないとでも言っているようでしょ」と笑う。こういった男女像は江戸時代後期に集中して作られたといい、ここでは文字だけの道祖神よりも古いという。

 顔がふっくらとした団子鼻や女性が少し顔をそむけているように見える物もあれば、片方の手が下腹部に伸びている物もある。「近くの山にある石を利用して、伊那谷の石工が作ったようですが、どれも遊び心がありますよね」と千村さん。

 道祖神をしげしげと眺めていると、農作業中の地元の人が、そのいわれなどを教えてくれたりする。花や米などのお供えを欠かさないという男性(67)は「子どもの頃から見守ってくれる集落の守り神だから大切にしないとね」と語る。同地区には道祖神のほかにも弘法大師像や馬頭観音などの石造物が約550体もあり、安倍晴明の墓といわれる石塔もある。紅葉ドライブで立ち寄ってほしいスポットだ。 (柳沢研二)

野辺にたたずむ男女の表情や衣装はさまざま=いずれも長野県木曽町で

野辺にたたずむ男女の表情や衣装はさまざま=いずれも長野県木曽町で

 ▼ガイド 旧黒川小学校の木造校舎を利用した体験交流施設「ふるさと体験館きそふくしま」はガイドが付く「黒川道祖神巡り」を11月30日まで開催している。要予約。2~15人で1人1100円。(電)0264(27)1011。二本木の湯は天然の炭酸成分が多く含まれた湯が自慢。午前10時~午後7時。木曜定休(祝日は営業)。大人620円、子ども410円、幼児無料。(電)0264(27)6150。近くには本殿の彫刻が見事な白山神社や紅葉の名所・唐沢の滝もある。木曽町観光協会(電)0264(22)4000

(中日新聞夕刊 2017年10月5日掲載)

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