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【愛知】たまり・みそ蔵見学 愛知県武豊町

ジャンル・エリア : 愛知 | 文化 | 歴史 | 特産  2017年10月19日

路地歩きが楽しめる黒塀の醸造蔵元が多い里中地区

路地歩きが楽しめる黒塀の醸造蔵元が多い里中地区

「東海の食のもと」味わう

 愛知県武豊町は、たまり・みその生産地として名高い。伝統製法を守り続けている5軒の醸造蔵元が、この秋、特別に公開されている。

 同町のある知多半島は明治期には、千葉・銚子や兵庫・竜野と並んで「三名醸郷(じょうごう)」と呼ばれていた。昭和初期には同町に51のたまり・みその工場があったという。たまりは豆みその熟成とともに底にたまる汁。一般的に大豆と小麦を仕込むこいくちしょうゆに対して、たまりは大豆のみが基本材料となっている。

 今回公開される5つの醸造蔵は古くからのスタイルで製造している。里中地区にある丸又商店は、江戸期創業で200年近い歴史があり、蔵の中に入ると、食欲をそそるこうばしい香りが漂う。重厚感のある高さ2メートル前後の木のおけが並ぶ。修理を繰り返し、100年以上使い続けているものもあり、木ににじみ出た染みも歴史を感じさせる。

 この商店のこだわりは、有機認定を受けた「オーガニックたまり」。有機農法で育てられた大豆を使い、小麦粉を一切使用しないので、アレルギーの人やアスリートにも注目されているという。日本食ブームもあって、ヨーロッパを中心に輸出されている。9代目の出口智康さん(51)は「世界の料理人には日本の調味料TAMARIとして認知されています」と語る。

 小皿に注がれたたまりを口に含むと濃厚なうま味が広がり、これで刺し身を食べてみたいなと思った。煮物などの隠し味として使うのも良さそうだ。出口さんは「たまりとみそは、食のもととなるもの。東海地方の食文化を守るために頑張ります」と力強い。こんな生産者の熱いこだわりが聞けるのもいい。

 蔵を出て、5つの醸造元がある里中地区を30分近くかけて散策してみた。塀や壁は黒い板やトタンが多い。重しとなる石が、高く積み上げられていたり、れんが造りの大きなかまどもあったりする。かつての醸造蔵の雰囲気を残す民家も多くて風情がある。

 帰りは昨年オープンしたまちの駅 味の蔵たけとよに立ち寄った。各蔵元のたまりやみそが一堂に並ぶ。さらに、それを使った「みそかすてら」や「六つ蔵せんべい」などがあって、土産をどれにしようか迷ってしまった。また同町内の飲食店などでは、地元のみそ・たまりを使った「たけとよめし」がある。今度こそ食べに来よう。 (柳沢研二)

蔵の中に並ぶ大きなおけを前にたまり・みそについて語る丸又商店の出口智康さん(右)=いずれも愛知県武豊町で

蔵の中に並ぶ大きなおけを前にたまり・みそについて語る丸又商店の出口智康さん(右)=いずれも愛知県武豊町で

 ▼ガイド たまり・みその蔵見学は、21、22日、11月25、26日が南蔵醸造、10月28、29日が伊藤商店、11月4、5日がカクトウ醸造、11月18、19日が丸又商店、11月11、12日が中定商店。午前の部は午前10時までに、午後の部は午後2時までに各醸造蔵元に集合。参加無料。まちの駅 味の蔵たけとよは午前9時~午後6時で月曜定休。無料駐車場あり。武豊町観光協会(電)0569(73)1100

(中日新聞夕刊 2017年10月19日掲載)

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