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【京都】美山かやぶきの里 京都府南丹市

ジャンル・エリア : | | 文化 | 近畿  2017年11月02日

多くのかやぶき家屋が残る美山かやぶきの里

多くのかやぶき家屋が残る美山かやぶきの里

暮らしの息遣い脈々と

 かやぶき民家が点在する京都府南丹市美山町。中でも知井地区の北集落は「美山かやぶきの里」と呼ばれ、白川郷(岐阜県)や五箇山(富山県)などと並んで、外国人観光客の人気も高い。

 なだらかな山裾にある北集落は50戸のうち、かやぶきの家屋が38棟ある。江戸期に造られた家が多く、国の重要伝統的建造物群保存地区となっている。集落の前にはアユで名高い由良川の源流部にあたる美山川が流れ、対岸は屋根をふくカヤを刈り取るカヤ場がある。

 同集落前にある駐車場から散策してみた。ゆるやかな坂道を行くと懐かしい郵便ポストがあり、アジアからの観光客がにぎやかに記念撮影している。ここから、ゆっくりと集落を望んでみた。隣の年配夫婦は「これだけ、ひとまとりのかやぶき家屋が、よく今まで残っていたね」とつぶやいていた。

ゆったりとくつろげる美山民俗資料館=いずれも京都府南丹市美山町で

ゆったりとくつろげる美山民俗資料館=いずれも京都府南丹市美山町で

 今も人が住んでいる家が多く、布団が干してあったり、庭先で花の手入れをする人がいたりと、暮らしの息遣いを感じられる。北山型と呼ばれる入り母屋造りで、田の字の間取りが特徴だ。母屋は現在の住宅と、さほど変わらないコンパクトなサイズだ。納屋として使われている小さなかやぶきの建物が隣接している家もあって、この調和が、なんとも心地よい。まるで、お母さんに寄り添う子どもといった雰囲気だ。

 集落の中に母屋、納屋、蔵からなる美山民俗資料館があった。中に入ると、玄関にはかまど、その奥にはいろりがある。2階は屋根用のカヤを保存しておくスペースだったという。内側から見る屋根は、きめ細かい手仕事を裏付けるような美しい仕上がり。今でも地元にかやぶき屋根をふく職人がいて、全国に出向き、活躍しているというのに納得した。

 開放的で風がよく通る縁側近くで、薬草茶をいただきながら、地元のおばあちゃんのお話に耳を傾けた。かやぶき家屋に住んでいるおばあちゃんは「冬は寒いけれど、夏はクーラーもいらんよ」と話してくれた。

 夕暮れ、誰もいない坂道を下る。背後の山は少し色づき始め、野菜の収穫に追われる年配男性がいた。資料館で出会った外国人向けツアーをコーディネートしている米国人のバワイヤーさん(37)の話が頭をよぎった。「ここの魅力は、あまり観光地化されていないこと。落ち着いた雰囲気で日本文化に浸れる」と。ゆるやかな里山の旅だった。 (柳沢研二)

 ▼ガイド 美山民俗資料館は30日まで午前9時~午後5時で無休。12~3月は午前10時~午後4時で月曜(祝日の場合は火曜)休館。大人300円。中学生以下無料。(電)0771(77)0587。島地区には「美山かやぶき美術館・郷土資料館」がある。午前10時~午後4時半で、月曜(祝日の場合は火曜)休館。12月4日から冬季休業。中学生以上500円、小学生200円。(電)0771(75)1777。美山町観光協会(電)0771(75)1906

(中日新聞夕刊 2017年11月2日掲載)

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