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【石川】犀星の言葉 興味持って 記念館 手作りおみくじ配布

ジャンル・エリア : 石川 | 芸術  2018年01月05日

新春限定の犀星おみくじを紹介する職員

新春限定の犀星おみくじを紹介する職員

筆写コーナーが好評

 金沢生まれの文豪室生犀星の作品が記された「犀星おみくじ」の配布が4日、金沢市千日町の室生犀星記念館で始まった。運試しではなく、犀星がつづった言葉を「お守り」代わりにいかが-。(督あかり)

 「本をよむならいまだ(中略)本は美しい信愛をもつて私を囲んでゐる」という詩「本」など、職員が選んだ作品が記され、くじは一~十番まである。来館者は15日まで、くじが引ける。

 新年に楽しんでもらおうと、職員5人で初めて手作りした。室生洲々子名誉館長は「おみくじを通して、皆さんが犀星の作品に興味を持つきっかけになれば」と呼び掛ける。

 館内では、年末から新たに登場した「筆写コーナー」が好評だ。犀星が20代前半に書いたとされる詩「秋」の原稿を書き写し、筆運びを体感できる。来館者からは「丸文字でかわいい」との声が上がっている。

 埼玉県から観光で訪れた学校法人職員の女性(23)は、生涯書き続ける意志を記した詩「人は」が記されたくじを引いた。「小学生のころから書道を続けており、詩に共感した。字は時代を超えて受け継がれていく。その心を大切にしていきたい」と語った。

筆写コーナーで犀星の詩を書き写す来館者=いずれも室生犀星記念館で

筆写コーナーで犀星の詩を書き写す来館者=いずれも室生犀星記念館で

 女性の母(57)は、友だちを大切にする心を歌った作品のくじを引いた。「還暦近くなるけれど、友だちは一生の宝。心の奥に抱えた寂しさを癒やしてきた犀星の気持ちが伝わってくる」とほほ笑んだ。