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【福井】岡太神社・大滝神社 福井県越前市

ジャンル・エリア : グルメ | 工芸品 | 文化 | 歴史 | 神社・仏閣 | 福井  2018年04月19日

複雑に屋根が入り組んだ岡太神社・大滝神社の拝殿と本殿

複雑に屋根が入り組んだ岡太神社・大滝神社の拝殿と本殿

波打つ屋根、山々と調和

 越前和紙の里として知られる福井県越前市の五箇地区。全国で唯一、紙の神様を祭る岡太(おかもと)神社・大滝神社の1300年大祭(5月2~5日)を間近に控えて、新たに注目されている。

 同神社には「日本一複雑な屋根」といわれる拝殿と本殿がある。こけむした境内を歩くと、奥まった場所にその建物があった。幾重にも重なった屋根は、白山の峰々をイメージしたのか、それとも、日本海の荒々しい波を表したものなのか。こちらに迫ってくるような躍動感だ。国の重要文化財で、拝殿と本殿が屋根で、つながっているのも、めずらしい。

 江戸期に永平寺の勅使門を手掛けた大久保勘左衛門という大工によるもの。大工の威信をかけたと思われる「これでもか」というほど、凝りに凝った屋根なのだが、周囲の山々と調和している。建築関係者と思われる団体も参拝に訪れ、「すげーな」と立ち尽くす。現代の職人をも圧倒する存在感だった。

パピルス館では手軽に紙すきが体験できる=いずれも福井県越前市で

パピルス館では手軽に紙すきが体験できる=いずれも福井県越前市で

 参拝を終えて、1キロほど離れた紙の文化博物館や卯立(うだつ)の工芸館などがある「和紙の里ゾーン」に向かった。パピルス館では手軽に紙すき体験ができる。スタッフのアドバイスを受けながら、はがき2枚分の紙すきに挑戦してみた。木枠のような「桁」と呼ばれる道具で、2回すいてから、好みの押し花などをちりばめて染料で軽く色付けする。一つはモミジ、もう一つは黄色い押し花を載せ、赤と青でうっすらと色付けしてみた。乾燥させれば出来上がりで、いい旅の記念となった。

 越前といえば、おろしそばが有名だ。帰りに北陸道・武生インター近くの越前そばの里に立ち寄った。ドライブインのような雰囲気で、そば生産工場やそば資料館がある。国内の自社農場で栽培したそばが売りのようだ。おろしそば(615円)は、ゆでたてとあっておいしかった。そばソフトクリームやぼたもちなど気になる人気メニューもあった。

 日帰りの急ぎ旅だったが、紙の文化や歴史に触れることができた。 (柳沢研二)

 ▼ガイド 岡太神社・大滝神社の1300年大祭では、お下り、湯立て神事、例大祭式典・紙能舞、紙神楽、みこし、お上りなどの行事がある。5月3~5日は宝物殿が特別公開される。石川さん(電)0778(43)0330。パピルス館は午前9時~午後4時で、紙すき体験受け付けは同3時半まで。はがき2枚どり500円。ショップは同4時半まで。(電)0778(42)1363。越前そばの里は午前9時~午後5時。(電)0778(21)0272

(中日新聞夕刊 2018年4月19日掲載)