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【滋賀】「馬の聖地」で在来種守る 近江八幡に牧場オープン

ジャンル・エリア : スポーツ | 動物 | 歴史 | 近畿  2018年05月02日

厩舎で馬と触れ合う人たち=近江八幡市加茂町で

厩舎で馬と触れ合う人たち=近江八幡市加茂町で

 在来種だけを集めた馬の牧場「御猟野乃杜(みかりののもり)牧場」が1日、近江八幡市加茂町に開業した。かつて天智天皇が日本初の馬牧場を開いたとされる地で、「馬の聖地」から在来種の魅力などを発信していく。

 牧場を設けたのは、在来種や和式馬術の保存に取り組む紅葉台木曽馬牧場(山梨県鳴沢村)の指導員磯部育実さん(33)。馬の守護神として信仰を集める賀茂神社で5年前から馬上武芸を奉納してきたのが縁で、神社から500メートル北東の竹やぶ1250平方メートルを切り開き、紅葉台木曽馬牧場から連れてきたドサンコと木曽系の雄雌5頭を飼育する。

 在来種は小柄で穏やかな性格が特徴。戦後しばらく農耕馬としても活躍したが、西洋馬の増加や飼育者の減少で数は減り続け、現存するのはドサンコや木曽馬などわずか8種類。磯部さんは「日本人の生活や文化を支えてきた馬を絶やしてはならない」と訴える。

馬場を駆け足する2頭の在来馬=近江八幡市加茂町で

馬場を駆け足する2頭の在来馬=近江八幡市加茂町で

 初日は家族連れらが厩舎(きゅうしゃ)で馬と触れ合ったほか、馬場で駆け足する様子を見学した。京都市山科区の主婦の女性(38)は「動物園にいる大きな馬と違い、日本の馬はコロコロとした体つきでかわいい」と話した。

 乗馬や流鏑馬(やぶさめ)、馬上武芸が体験できるコースもあり、「多くの人に馬と触れ合ってほしい」と話す。厩舎は無料公開、体験コースは有料、予約制。

 (問)御猟野乃杜牧場=0748(43)0410

 (平井剛)