ジャンル・エリア : 三重 | 展示 | 歴史 | 生き物 2018年06月14日
津市一志町高野のJA三重中央郷土資料館の敷地内の建物で、地元の養蚕業経験者らがカイコを飼育する様子を公開している。23日ごろまで桑の葉を食べたり繭を作ったりする姿を見ることができる。
製糸工場で働いた経験がある地元住民でつくるサークル「蚕糸(さんし)研究会」と、一志町のガイドボランティア団体の計17人が交代で桑の葉をやるなど世話をしている。
研究会の西田太司会長(77)によると、一志町では1970年代ごろまで養蚕・製糸業が盛んだった。県内有数の製糸工場が2つあり、農家も副業としてカイコを育てたという。
飼育の公開は一志町の歴史を知ってほしいと10年以上前から続いている。今年は日本純産種の「小石丸」や赤みがかったオレンジの繭を作る「ローザ」など4種類のカイコを飼育。どのカイコも2~5センチほどで、耳をそばだてると小さく「パチパチ」と、カイコが桑の葉を食べる音を聞くことができる。西田さんは「昔は身近だったカイコだけど、今はもうたくさんの人が忘れている。見にきて、昔の一志町の暮らしを思い描いてほしい」と話した。桑の葉をやる時間(毎日、午前9時~9時半、午後4時半~5時)に無料で見学できる。
(渡辺雄紀)