【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【三重】「開湯1300年」 湯の山温泉

【三重】「開湯1300年」 湯の山温泉

ジャンル・エリア : グルメ | 三重 | 乗り物 | | 温泉 | 特産 | 生き物 | 自然 | 鉄道  2018年08月16日

御在所ロープウエイのゴンドラから伊勢湾方面を望む=三重県菰野町で

御在所ロープウエイのゴンドラから伊勢湾方面を望む=三重県菰野町で

新スポットが続々登場

 「開湯1300年」を迎えて盛り上がる三重県菰野町の湯の山温泉。ここを代表する観光スポットの御在所ロープウエイで、この夏に一部導入された新型ゴンドラに乗って山上に向かった。

 気温30度を超える猛暑の中、湯の山温泉駅(標高400メートル)からニホンカモシカの絵がデザインされた赤いゴンドラに乗り込む。床の一部はガラス張りで、真下の樹林帯が丸見え。いやがおうにも高度感を味わえる。安全とはいえ、ガラスの上に立つのはちょっと無理だった。ガスで視界は良くなかったものの、ちょっとしたスリルを味わいながら15分で山上公園駅(同一、180メートル)に到着。気温は22度で半袖でちょうどいいくらい。新装オープンした展望レストランでは「御在所カレーうどん」(900円)が人気だった。伊勢うどんを濃厚なカレースープでからめ、角煮が付く。

 外を散策すると網を持った同県鈴鹿市から来た小学生の女の子とおじいちゃんに出会った。ここでは夏になると「赤トンボ」のアキアカネが、よく飛び交うという。2人は「トンボも避暑のために山の上に飛んできて、夏が終わると繁殖のため里へ下ります」と教えてくれた。

 さらに1人乗りの観光リフトを乗り継いで御在所岳頂上(同一、212メートル)近くに向かうと、アキアカネが腕に止まった。捕まえようとしたが風に乗って、どこかへ行ってしまった。入道雲をバックに丘の向こうから手をつないだ麦わら帽子のカップルが登ってくる。山頂近くに立って、伊勢湾方向を望みながら、つかの間の避暑地の夏を楽しんだ。

 湯の山温泉駅に戻ると、駅前には7月にオープンした「モンベルルーム御在所店」もあって、にぎわっていた。また、近鉄は観光列車「つどい」をリニューアルし、土日祝日を中心に近鉄名古屋-湯の山温泉駅で運行。内部は菰野町の特産品を販売するカウンターやさまざまな形をしたソファがあるなど、遊び心が詰まった列車だ。

観光列車「つどい」の車内には菰野町の特産品などが並ぶ

観光列車「つどい」の車内には菰野町の特産品などが並ぶ

 9月2日までは湯の山温泉に伝わる恋結び折り鶴伝説にちなんだ「リアル謎解きゲーム列車」で、参加者には湯の山温泉の日帰り入浴無料や観光施設の割引が受けられる特典が付いたうちわがプレゼントされる。さらに10月6日から2019年2月24日まで、湯の山温泉の温泉を利用した「足湯列車」の運行も予定している。昭和の薫りが色濃く残る温泉街に次々と新たな風が吹き込んでいる。
 (柳沢研二)

 ▼ガイド 御在所ロープウエイは11月まで午前9時~午後5時(下り最終5時20分)。不定休。往復運賃は中学生以上2400円、4歳~小学生1200円。さらにリフトに乗車する場合は別途、運賃が必要。(電)059(392)2261。観光列車「つどい」の料金は中学生以上1000円、小学生750円(ほかに区間に応じた乗車券が必要)。近鉄名古屋駅営業所(電)052(561)4986、菰野町観光協会(電)059(394)0050

(中日新聞夕刊 2018年8月16日掲載)