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【愛知】昔ながらの手仕事体験 三州足助屋敷

ジャンル・エリア : 展示 | 愛知 | 文化 | 歴史  2018年09月20日

母屋の前では鶏が放し飼いにされ、昔ながらの遊びに興じる人たちの歓声が響く

母屋の前では鶏が放し飼いにされ、昔ながらの遊びに興じる人たちの歓声が響く

 愛知県豊田市足助町の「三州足助屋敷」は明治期から昭和初期にかけての中山間部の農家の暮らしを再現。11の手仕事の実演を見学できるほか、職人の指導を受けながらの手仕事体験もできる。

 モミジの紅葉で名高い香嵐渓の待月橋を渡って巴(ともえ)川をさかのぼる。大きな門をくぐると、タイムスリップしたかのような世界が広がっていた。寝そべる牛、鶏が走り回る中庭を取り囲むようにかやぶき屋根の母屋など職人の手作業小屋が軒を連ねる。

 母屋に入ると「クド」と呼ばれるかまどや火のくすぶるいろりがある。座敷では、わら細工や機織りの実演に見入る名古屋市の家族連れがいた。30歳代だと思われる女性は「子どもたちだけでなく、親の私たちも新鮮な感覚で手仕事を間近に見られるのがいいですね」と話していた。

機織りの実演を興味深そうに見入る子どもたち

機織りの実演を興味深そうに見入る子どもたち

 煙の上がる炭焼き小屋では近藤三郎さん(69)が窯の様子を見ていた。堅炭を中心に、この窯では一度に60俵焼けるという。「火入れから取り出すまで15日かかりますが、煙の色は黒、白、青と変わるんですよ」と教えてくれた。話し掛けると、職人が手を休めて、いろいろと教えてくれる。会話をしながら巡る楽しさもある。

 お隣からカーン、カーンと金属音が聞こえてきた。鍛冶屋さんの小屋に入ると、200年以上の歴史がある広瀬重光刃物店の七代目、広瀬友門さん(35)が包丁を製作していた。広瀬さんの指導でペーパーナイフ作りに挑戦してみた。炭火で温め、真っ赤になった五寸くぎをハンマーで打ち付けて形を整え、一気に水の中に入れて焼き入れ。「ジュワッ」と音を立てる様子に興奮する。これを数回、繰り返し、形を整え、20分ほどで黒光りするペーパーナイフが完成した。

 帰り際、片隅にあった鍬(くわ)が目に留まった。修理に持ち込まれたもので、長年の農作業で減った先端部分に鉄が継ぎ足されている。「愛着があるのでしょうね。これで4回目の補修になりますね」と広瀬さん。使い続ける人だけでなく最後まで面倒を見るという職人もすごい。この鍬は忘れかけていた大切なことを語りかけてくれた。(柳沢研二)

汗をかきながら包丁作りに取り組む広瀬さん=いずれも愛知県豊田市足助町の三州足助屋敷で

汗をかきながら包丁作りに取り組む広瀬さん=いずれも愛知県豊田市足助町の三州足助屋敷で

 ▼ガイド 三州足助屋敷は午前9時~午後5時で基本的に木曜(祝日の場合は翌日)休館。大人300円、小中高生100円。ペーパーナイフ作り体験は革のケース付きで1500円。ほかにも竹細工、藍染めなどさまざまな体験プランがある。(電)0565(62)1188

(中日新聞夕刊 2018年9月20日掲載)

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