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【長野】「信濃の国」に込めた思い 松本で作詞者・浅井洌の資料展

ジャンル・エリア : 展示 | 文化 | 歴史 | 甲信越  2018年10月17日

「信濃の国」の歌詞をつづった浅井直筆のびょうぶ(左)などが並ぶ会場=松本市丸の内の市立博物館で

「信濃の国」の歌詞をつづった浅井直筆のびょうぶ(左)などが並ぶ会場=松本市丸の内の市立博物館で

 今年で制定50年を迎えた県歌「信濃の国」の歌詞に、作詞者の浅井洌(1849~1938年)が込めた思いなどを紹介する企画展「信濃の国と浅井洌」が、松本市立博物館(同市丸の内)と国重文旧開智学校校舎(同市開智)で開かれている。

 信濃の国は1899(明治32)年、小学生向けの唱歌として発表された。1~6番の歌詞があり、県内の自然や産業、ゆかりの偉人などを紹介している。

 浅井は松本藩士の子で、自由民権運動にも携わった。作詞した当時は県尋常師範学校(現信州大教育学部)の教員だった。

 市立博物館では、浅井が読んだとみられる江戸末期から明治、大正期の書籍など約80点を展示。歌詞の格調高さには藩校・崇教館(そうきょうかん)で学んだ中国の史書などが背景にあることや、先駆的な思想が、歌詞に出てくる偉人の人選に影響したことなどを説明している。

 旧開智学校校舎では、作詞当時の小学校の地理や歴史の教科書など約60点を展示。歌詞に登場する乗鞍岳などの地名や木曽義仲などの偉人のほとんどが、教科書の学習項目と一致しており、地元の地理や歴史を学ぶ教材とする狙いもあったとの見方も示している。

 企画展の開幕式は市立博物館であり、矢久保学・市教育部長は「信濃の国が、皆さんの心の歌として歌い継がれることを願う」と述べた。

 11月25日まで。入場料は、市立博物館は高校生以上200円、小中学生100円、未就学児と市内の小中学生は無料。旧開智学校校舎は、高校生以上300円、小中学生150円、未就学児と市内の小中学生は無料。

 (川添智史)