ジャンル・エリア : 城 | 展示 | 歴史 | 近畿 2018年10月31日
戦国時代、織田信長の後継を巡って豊臣秀吉と柴田勝家が争った「賤ケ岳合戦」で秀吉の勝利に貢献した7人の武将「七本槍(やり)」をテーマにした企画展が、長浜市の長浜城歴史博物館で開かれている。書状や肖像画、びょうぶ絵など57点を並べ、7人の活躍とその後の盛衰を紹介している。11月25日まで。
賤ケ岳合戦は1583(天正11)年4月、市北部の賤ケ岳から柳ケ瀬にかけた地域で繰り広げられ、福島正則、脇坂安治、加藤清正ら秀吉直属の7人の若い武将たちが活躍。秀吉は後に「七本槍」と呼ばれる功労者に破格の恩賞を与え、天下統一に向けて自軍の力を誇示した。
当時、最年長の30歳だった脇坂安治の関連では合戦で身に着けたとされる甲冑(かっちゅう)や十文字やり、秀吉からの賞状を展示。のちに城主となった洲本城(兵庫県)で引き継いだ指出(さしだし)検地帳は秀吉の直筆で貴重という。
「軍神」のイメージが強い加藤清正は事務調整にもたけていた。緊張関係にあった徳川家康と豊臣秀頼の「二条城会見」を成功させる3日前に友人に宛てた書状も展示され、当時の緊迫感を伝えている。
福島正則の関連では、秀吉から与えられた後、酒の飲み比べに負けて手放した大身槍のレプリカを披露。賤ケ岳合戦では7人の中でも別格の恩賞を与えられながら、晩年は不遇をかこった。「福嶋記」には広島城主時代に幕府に無断で城を改修し、解任されるまでの一部始終が記される。賤ケ岳合戦で秀吉から賞状を受けながらも「7人」に入らなかった桜井家一と石川一光も紹介。その理由を考察している。
秀平文忠館長は「7人のキャラクターを際立たせ、生きざまにスポットを当てた。好きな武将に感情移入して郷土の歴史に関心を持ってもらえれば」と話している。高校生以上400円、小中学生200円。(問)博物館=0749(63)4611
(渡辺大地)