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【愛知】おびんずる様へ145年ぶり感謝祭 豊田・富永町で8日

ジャンル・エリア : まつり | 愛知 | 神社・仏閣  2018年11月29日

感謝祭の復活を心待ちにする伊藤薫生さんとおびんずる様=豊田市富永町で

感謝祭の復活を心待ちにする伊藤薫生さんとおびんずる様=豊田市富永町で

 山あいの小さな集落、豊田市富永町に伝わる仏像「おびんずる様」に1年の無事を感謝する師走感謝祭が12月8日、145年ぶりに開かれる。この仏像は約5キロ離れた小馬(こま)寺(牛地町)に長く預けられていたが、再び集落に迎えて12年。住民ら念願の祭りがついに復活する。

 おびんずる様は江戸初期に富永町内にまつられ、患部と同じ場所をなでると病気が治る「なで仏」として大切にされてきた。年末に集落で開かれる祭りでは、訪れた人におかゆなどを振る舞っていたという。

 明治初期の1873年に約6センチの金の胎内仏が盗難に遭うと、おびんずる様は近くの小馬寺に預けられた。以来、集落での祭りも途切れた。

 廃寺になり、荒れ果てた小馬寺からおびんずる様を“救出”したのは2005年。翌年、集落に新たなほこらを設けてから、伊藤薫生(しげお)さん(82)=富永町=を中心に年末に酒や花を供え、ささやかな形で1年の無事を祝ってきた。それでも「きちんとした祭りをやりたい」という伊藤さんの思いは強かった。

 最近は遠方からの参拝者も徐々に増加している。昨年は熊本県からがんを患う妹のためにお参りに来た。「祭りを契機にさらに広く知ってもらいたい」と伊藤さんは期待を込める。

 富永町は約400年間、ほぼ8世帯で推移しており、今年6月ごろに1世帯増えて現在は計9世帯。同町に住む稲武支所の伊藤友治さん(35)は「手水(ちょうず)やのぼり旗を作るのに、町の外の人の手も借りた」とほこら再建後を振り返る。「寄進してくれた人におびんずる様の今の姿を見てもらいたい」という薫生さんら集落の年配者の思いも復活へ背中を押す要因となった。

 祭りは富永町住民で構成する「富永の未来をつくる会」が主催し、午前10時から。おびんずる様の前で住職が読経。おびんずる様が安置され隆盛だったころの小馬寺で渡されていたという、版木で刷った2種類のお札を参拝者に配る。近くの水車小屋での餅まきに加え、五平餅も振る舞う。

 参拝料は1000円。30日までに申し込みが必要。(問)富永の未来をつくる会=yamazato_tominaga@yahoo.co.jp

 (生津千里)

 <おびんずる様> 釈迦(しゃか)の弟子の1人で、十六羅漢の筆頭に挙げられる「賓頭盧(びんずる)尊者」。非常に強い神通力を持っていたとされる。東大寺(奈良県)や善光寺(長野県)をはじめ各地に置かれ、なでると除病の御利益があるとされる。 

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