【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【石川】風景を旅する絵画紹介 七尾美術館 作者の心象へいざなう

【石川】風景を旅する絵画紹介 七尾美術館 作者の心象へいざなう

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 石川 | 芸術  2019年01月04日

「様々な風景を旅する」をテーマとし国内外の各地へいざなう展示=県七尾美術館で

「様々な風景を旅する」をテーマとし国内外の各地へいざなう展示=県七尾美術館で

 七尾市小丸山台の県七尾美術館で2つの展覧会が開かれている。いずれも同美術館の所蔵品を中心に、国内外の風景を絵画で紹介した「様々な風景を旅する」と、桃山時代の焼き物を中心とした「桃山のやきものを愛(め)でる」。2月11日まで。

 絵画は日本画と洋画を合わせ24点を展示。七尾市出身の水道秋聖さん(1921~99年)が福井県の東尋坊の荒ぶる海を描いた「絶域濤声」や、大阪市出身の上田珪草さん(1904~85年)が、妻の実家の七尾市に疎開していた1946年に制作した六曲一双の「七尾城址(じょうし)・能登島図屏風(びょうぶ)」の左隻など、見ごたえある作品が並ぶ。

 輪島市出身の堀場良夫さん(1920~2006年)の「草叢での対話」にはマネキンや便器、水筒がうち捨てられた草むらに「人間の栄華も一瞬の夢であり、必要がなくなれば捨てられる」、珠洲市出身の端名清さん(1932~2011年)が描いた「海峡の街」には「絵には物語が必要だ。今の時代の危機感、現代の世相を絵の中に出せたら」とメッセージが添えられて、作者の心象風景へといざなう。

 「桃山のやきものを愛でる」では、七尾市出身の実業家・池田文夫さん(1907~87年)が収集した美術工芸品「池田コレクション」の中から、桃山時代の焼き物を中心に35点を出展。志野焼や織部焼、唐津焼、備前焼の香合、鉢、茶わんなど、古さを感じさせない逸品が並ぶ。

 開館は午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。月曜休館だが1月14日と2月11日は開館し、1月15日は休館。観覧料は1般350円、大学生・高校生280円、中学生以下無料。(問)県七尾美術館0767(53)1500
 
 (小塚泉)