【チェコ】プラハの農家市
2011年7月25日
プラハのような石造りの古い街は、大昔からなにも変わっていないという印象を日本人はつい抱いてしまいがちです。しかし、実際には3年ないし4年ぐらいの周期でめまぐるしくその表情を変えています。
2006年にプラハでの生活をはじめたころ、街角には野菜を売る屋台を中心とした青空市場がありました。担い手はおもにベトナム人でした。しかし、街の景観を害するなどの理由で2年ほど経つとその多くが排除されました。
以来、プラハで新鮮な野菜を手に入れるのが少し困難になりました。状況が少しずつ変わりはじめたのは2009年ころからでした。ときどきチェコ各地の農家が集まり、大きな「農家市」を開くようになったのです。
さらに最近は人が多く集まるアンジェル駅の前にも市が開かれ、野菜や各地の特産品をが並ぶようになりました。マグロの解体ショーもはじめて見ました。
街に住む人も変われば考え方も変わる、ということでしょうか。なにも変わらない街の風景に、こうしたちょっとした、しかし大きな変化を発見するたびに、ずいぶん驚かされてしまうのです。
(写真=地下鉄アンジェル駅前の農家市で、アスパラガスを売る人)
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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