【スロヴァキア】バス停のポスターが禁止に
2012年7月 9日
ブラチスラヴァのバス停には、コンサートやサーカスなどのイベントのポスターが折り重なるようにして貼られ、告知をおこなっていました。そのポスターが突然、禁止になってしまい、街から「風物詩」がまたひとつ消えた気がします。
プラハからブラチスラヴァに移り住んだとき、最初に気がついたのは街に貼られたポスターのデザインが格段にすぐれていることでした。チェコのほうがデザインの中心だと思っていただけに意外でした。
それもこれもポスターを自由に貼れる場が、ブラチスラヴァのほうがあったからではないかと思います。街角に貼られてこそ、ポスターはポスターとして生きてくるからです。そう考えると、停留所がポスターを禁止したのはちょっと残念に思えます。
スロヴァキアでもチェコでも、社会主義の時代はさまざまなことが「禁止」され、「自由」が制限されていました。社会主義が終わると、人びとの生活にあるそうした縛りが取り払われていきました。しかし、少しずつ社会に「禁止」がふたたび増えてきたように感じることがあります。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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