【スロヴァキア】アートの屋外展示
2012年8月13日
いま街にはアートがあふれています。街中だけではありません。古城や森林のなかにもアートは進出しています。こうしたアートを目にするたびに、ぼくはちょっとした懐疑的な気持ちを抱いてしまいます。
アートは美術館のなかにだけあるものではないという考えは、現代アートの作家たちによって繰り返し主張されてきました。それはかつて「ハプニング」と呼ばれ、あたかも存在しなかったかのように消えていく一過性のものでした。
いまアートがいたるところにあふれ、旧市街にはおよそ不釣り合いで不似合いなオブジェがあたりまえのように展示されています。美術館に行かなくても作品を見ることができ、また見てもらえるのは屋外展示ならではです。
しかし、見たくないと思うことも正直あります。なぜそんなふうに思い、感じてしまうのか、その瞬間、アートというものの存在の意味が強く問われているような気がしてなりません。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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