【スロヴァキア】世界遺産の街バルデヨフ 5 木造教会の壁画
2013年1月 7日
バルデヨフの郊外にヘルヴァルトフという村があります。人口500人ほどの小さな村です。ここにバルデヨフの旧市街同様、ユネスコの世界遺産に登録されている木造の教会があります。
アッシジの聖フランチェスコ教会というカトリック教会が、村に建てられたのは1500年頃のことでした。周囲にある豊富な木材を活用した教会を建て、信仰のよりどころにしたのです。周囲にはほかにもいくつかの木造教会が残っています。
この教会の見所は特異なかたちをした外観と、内部の壁画です。壁画は名の知れた画家が描いたものではありません。おそらく絵心のある村人が描いたのでしょう。素朴で、おおらかで、どこか漫画的でもあります。
壁画のうちの一枚に、最後の晩餐をモティーフにしたものがあります。絵に付された年号は、1653年。関ヶ原の戦いから50年ほどが過ぎたときのことですが、保存状態は驚くほどよく、当時の人びとの暮らしぶりが思い浮かびます。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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