【スロヴァキア】海なし国の夏
2013年8月 5日
スロヴァキアには海がありません。海がないことを、四方を海に囲まれる島国育ちの日本人にはなかなかイメージできませんが、ふとした折に、この国には海がないんだなあと改めて思ったりもします。
たとえばスロヴァキアでは冷凍や燻製、酢漬けの魚は入手できますが、新鮮な海の魚を手に入れるのがとてもむずかしいです。
そのため魚をどのように料理してよいのかわからない人が少なくないようです。スーパーで冷凍の魚を見ていると、どうやって料理するのか、買い物客に聞かれたこともあります。
夏休みは海辺で過ごすのが庶民の夢のようで、旅行代理店には海辺へのツアーがたくさん貼られています。海に行けない人はどうするのかというと、湖に設えられた「特設海辺」で夏を満喫します。
「海の家」が並び、スイカやトウモロコシが売られ、海気分でいっぱいです。なかには大きなヤシの木の偽物がある「海の家」もあり、海の演出に対する涙ぐましい努力を感じます。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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