【スロヴァキア】八百屋に感じるスロヴァキア史
2013年8月26日
チェコのプラハからブラチスラヴァに引っ越したとき、野菜の豊富さにずいぶん驚いたものでした。プラハで新鮮な野菜を手に入れるのはそう簡単なことではなかったからです。
これまで街の中心にある市場まで野菜を買いに行っていましたが、近所に新鮮な野菜を売る八百屋ができてからはそこで買い物をするようになりました。新鮮な野菜や果物を求める心はだれしも同じようで、いつもにぎわっています。
八百屋の主はハンガリー系の住人で、ハンガリー語を話しています。市場でもハンガリー語が飛び交っていました。これはスロヴァキアが1918年に独立するまで、ハンガリーの一部だった名残で、複雑な歴史を感じさせます。
新しくできたショッピングセンターには、世界の野菜や果物を扱う八百屋があり、ここでは里芋やレンコンが手に入ります。
里芋のスロヴァキア名を日本語にすると「江戸の根」。店の人に「これが江戸の根ですよね?」と尋ねると、「そうだよ、それが江戸の根だよ」と威勢のいい返事がありました。
写真=「江戸の根」こと里芋と、ゴボウ。ただしゴボウは日本のものとはまったく異なり、どちらかというとウドに近い。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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