【スロヴァキア】再建されたブラチスラヴァ城
2013年9月23日
ブラチスラヴァ城は、ドナウ川を見下ろす高台にたっています。見晴らしのよい高台には、古くから見張りのための砦が築かれました。なるほど城からはドナウ川の流れと、ブラチスラヴァの街が一望にできます。
この地になんらかの建物ができたのは、4500年前にさかのぼると言われています。高台に暮らすのは、自然災害から身を守ることや、敵の襲来を監視することのほか、道行く旅人らから税を徴収する役割もありました。
ブラチスラヴァ城は18世紀、女帝マリア・テレジアの時代にいちばん繁栄しました。その後は城としての役割を失い、兵舎などになりました。
このあたりの事情はどこも似たようなもので、城という流麗なイメージとは裏腹な扱われ方をしたところが少なくありません。牢獄となった城もあります。
ブラチスラヴァ城は1811年に焼失してしまい、長らく焼け落ちたままでした。城の必要性がないため、再建されることもありませんでしたが、共産体制下の1945年から68年にかけて工事がおこなわれ、往年のかたちを取り戻しました。
写真=ブラチスラヴァ城(右)と、スロヴァキアの国会議事堂
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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