【チェコ】プラハのミクラーシュの日
2015年12月 7日
プラハでいちばんチェコらしい行事は、たぶんミクラーシュの日ではないかと思います。12月5日の夜、旧市街広場をはじめ、市内の広場などに、聖人に扮した人たちが集まるアドヴェントの行事です。
聖人の一行は、聖ミクラーシュと天使、それに悪魔の三人一組になっています。聖ミクラーシュが天使と悪魔を引き連れている格好です。一行は子どもを見つけるとよい子かどうかを確認し、子どもに歌を歌わせます。そして、よい子にはプレゼントを渡し、悪い子の顔には炭を塗ります。
ミクラーシュの日でおもしろいのは、子どもたちがほんとうに聖人を信じているように思えることです。聖人に一年の行いを告げるときは恭しい表情になり、悪魔に叱られると大声で泣きます。そんなとき、プラハの人たちの素顔が垣間見える気がするのです。
観光客のあまりいない場所に現れる聖ミクラーシュの一行は手作り感があり、とくに子どもの扮装はなんともほほえましいものがあります。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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