【スロヴァキア】社会主義の残映
2016年1月11日
1989年に社会主義体制が終わり、すでに四半世紀が過ぎました。当時の文化や生活は決して恵まれていたわけではなく、たくさんの問題を抱えていましたが、いつしか「レトロ」という言葉で括られていました。古きよき時代と感じる世代も出てきました。
この10年のあいだに、社会主義の時代の痕跡は少しずつ、ブラチスラヴァから消えていきました。プラハのように急激に「なかったこと」になっているわけではなく、当時の像なども壊されたり、取り除かれたりすることはなく、そのままになっています。それでも、年月の流れのなかで、影が薄れていっているのはたしかです。
観光客の集まる旧市街は、観光客向けのレストランや土産物屋ばかりになりました。値段も高めに設定されているので、普段の生活のなかでは、あまり用事はありません。
そんな旧市街にも、それこそレトロという言葉がぴったりのお店があります。たとえば写真の帽子屋さん。なんかホッとするのは気のせいでしょうか。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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