【チェコ】木のおもちゃ
2017年1月 9日
チェコのお土産といえば、素朴な木のおもちゃがいちばんのおすすめかなと思っています。1989年に社会主義の時代が終わってしばらく、目につくお土産は木のおもちゃしかありませんでした。
木のおもちゃといっても、それほどバリエーションがあるわけではありません。ヒモのついたアヒルは、子どもが引っ張って歩くと、羽をぱたぱたさせるからくりです。ムカデのようなものや、指人形も昔からあります。
博物館のお土産コーナーに、指人形がありました。まだ新しいのに、布がほつれていたりするのはチェコならでは。メーカーは「デトア 1908年創業」とあります。気になって調べると、プラハの北、リベレツという街の近くの街にありました。
創業者の名前はヨハン・ショバネック。ドイツ系の名前です。そう、このあたりはズデーテン地方にあたり、住人の多くがドイツ人でした。「チェコのおもちゃ」だけれども、「ドイツのおもちゃ」。チェコの複雑な歴史が、おもちゃひとつに見えてきます。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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