【スロヴァキア】よみがえるブラチスラヴァ建築
2017年4月 3日
ブラチスラヴァの街は、20世紀前半までに形成されたブルジョワ趣味の建築と、社会主義の時代につくられた建築、それに社会主義崩壊後に形成された新しい建築の三つに大きく分かれます。
ユダヤ人街を破壊して橋を築くなど、社会主義の時代、ブラチスラヴァはプラハ以上にブルジョワ趣味を排除しようとした痕跡が強く見られます。そのため、建築を軸に歴史をたどれるプラハに比べ、ブラチスラヴァの建築に関する本は限られています。
そんなこともあり、予備知識もなくブラチスラヴァの街を歩いても、これまでただ古びた建物が目につくだけでした。しかし、外装をリフォームする建物が増えるにつれ、遅々たるものですが、往年の街並みが少しずつ立ち現れてきています。
現金なもので、きちんと整備されると街や建築への興味がわいてきて、ほんとうはどんなところだったのだろうと考えさせられています。同時にリフォームされずに解体されてしまう建物もこのところ増えています。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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