【オーストリア】ウィーンの郊外路面電車
2017年4月24日
ウィーンには1本、風変わりな路面電車があります。「ウィーン・バーデン地方線」と呼ばれるものです。
観光客の集まるオペラ座からバーデン市までのおよそ27キロを結びます。路面電車にしては高速で、最高時速70キロに達します。のんびりした路面電車のつもりで乗ると、びっくりさせられるでしょう。
実はウィーンとブラチスラヴァはかつて路面電車で結ばれていました。まだスロヴァキアがオーストリア帝国の一部だった1912年の開業です。路面電車が長距離を結ぶイメージがわかりにくかったのですが、「ウィーン・バーデン地方線」に乗ってから、なるほどこれと似たものだったのだろうと想像できるようになりました。
この路線はプレスブルク(ブラチスラヴァのドイツ語名)線という鉄道にその名を残しています。もっとも第二次世界大戦中に国境近くの街で分断されて以来、これまでそのまま放置されています。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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