【スロヴァキア】城と旧市街
2018年4月23日
ブラチスラヴァ城の歴史は10世紀にはじまる、といわれています。高台の砦以上の役割を担うのは16世紀から18世紀のおよそ250年間、ブダペストがオスマントルコに占領された時期でした。この間、ハンガリーの玉座がここに置かれたからです。
スロヴァキアの街にどうしてと思われるかも知れませんが、1918年にチェコスロヴァキアが独立するまで、ハンガリーの一部だったからです。こうした背景が歴史を見通しにくく、複雑なものにしています。
ハンガリー王家がブダペストに戻ってほどなくした1811年、城は大火で焼け落ちます。以来、廃墟として放置され、その模様は絵画や写真で見ることができます。長らくそのままでしたが、共産体制下の1968年に再建されます。
この城、ぼくがはじめて見たときは茶色い砂のような外壁だったのですが、5年ほど前、突然、真っ白に塗り替えられてびっくりしました。それでも長らく住んでいると街の守護神のように思え、愛着がわいてきます。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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