【チェコ】ブルノのマイバウム
2018年5月14日
マイバウムは「5月の木」を意味するドイツのお祭りです。毎年5月1日、男たちが協力して大きな木を町や村の広場に立てる風習があります。
ブルノの旧市街のまんなかにある自由広場にマイバウムがそびえ立っていました。本場に比べると木が細く貧弱なのはご愛敬ですが、マイバウムを見てこの街の歴史に思いをはせました。
もともとブルノはドイツ語でブリュンと呼ばれる、ドイツ系住民の多い街でした。5万5000人のドイツ人、1万2000人のユダヤ人が暮らしていました。1918年に独立したチェコスロヴァキアはチェコ人、スロヴァキア人、ドイツ人、ユダヤ人、ハンガリー人らが共存する他民族国家だったのです。
しかし、第二次世界大戦中、ユダヤ人は強制収容所に送られました。ドイツ人も戦後、街から全員、追放されます。なんだか不思議な感じもしますが、なるほどたしかに街の建物をよくよく見て歩いていると、ドイツの街によく似ているのに気づきます。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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