【スロヴァキア】美大展のジャーナリズム
2018年6月 4日
2月にジャーナリストが婚約者と殺された事件からはじまったデモに、ブラチスラヴァ美術デザイン・アカデミーの学生もおおぜい参加してきました。それもこれも表現の自由が脅かされたからにほかなりません。
学年末におこなわれる恒例のセメスター展でも、デモを追った写真展に一部屋があてがわれていました。例年ドキュメンタリー写真の展示はほとんど目につかないだけに、関心の強さが伺えます。
美大の学生たちはデモに参加する当事者として、写真を撮って記録しようとしています。ストレートな狙いが力強い写真を生み出しています。10年あるいは20年後の人びとになにを伝えるかという目線が写真には大切なのだと改めて感じました。
事件に関係する作品がほかにもあるかと思いましたが、抽象化するにはまだ時間がかかるようで、とくにありませんでした。学生のあいだでどうするか、議論はあったそうです。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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