【スロヴァキア】アヴィオンの建築
2018年7月23日
アヴィオン(AVION)という名前の集合住宅がブラチスラヴァの旧市街から少し離れたところに建てられたのは1932年のことでした。機能主義建築の堂々とした外観はいまでも目を惹きます。
アヴィオンは地上7階建てで、建築家ヨゼフ・マレクが設計しました。部屋数は合わせて118室で、1階は25軒からなる店舗層になっています。竣工した当時、いまでいうタワーマンションのような人気を集め、女優らセレブがこぞって住んだそうです。なぜアヴィオンと名づけられたかははっきりしていません。
アヴィオンの近くには、ほかにもメトロポールという名前を壁面に掲げる、アールデコの建物があります。同じような集合住宅で、なかには映画館もありました。メトロポールのほうが早く、1928年にできました。こうした都市計画が揃っていればきっとおもしろいことになっていたはずですが、ほどなくナチス・ドイツによりチェコスロヴァキアは解体されてしまいます。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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