【スロヴァキア】チェコ事件から50年
2018年8月20日
ソ連を中心としたワルシャワ条約機構軍が侵攻したのは1968年8月20日夜11時ごろでした。あれから50年が経ちました。
事件を世界に知らせるため、写真家ヨゼフ・クーデルカが密かに持ち出して匿名で発表した力強い一連の写真で、プラハが占領された印象が強くありますが、実際にはチェコスロヴァキア全土が制圧されました。ブラチスラヴァも戦車が蹂躙しました。
第二次世界大戦後の1948年、チェコスロヴァキアは社会主義の国になりました。しかし、社会主義がいったいどういうものかよくわからず、右往左往しながらソ連に追随します。60年代に入り、ようやくチェコらしいやり方をみつけます。それが「人間の顔をした社会主義」でした。
他の共産諸国はチェコの考えを苦々しく思い、認めようとしませんでした。それが侵攻を招いたざっくりした理由です。しかし、チェコ国内の反対勢力による要請でもあり、政治闘争でもありました。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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