【チェコ】ブルノのデザイン・ビエンナーレ
2018年9月10日
ブルノのデザイン・ビエンナーレは1964年にはじまり、今年で28回を数えます。社会主義の時代、デザインを通じて国際交流を果たしたいと考えた一人のデザイナーの思いが原点です。
社会主義のとき、西側の国と行き来するのはそう簡単なことではありませんでした。しかし、デザインが交流のきっかけとなりました。1989年の革命でその意味が薄れ、ビエンナーレのありようがぐらつきます。
とくに過去3回のビエンナーレはデザインというよりアートになって様変わりします。それに対して多くの批判が集まったこともあり、今回からまた元に戻りました。
しかし、これまで3館でやっていた展示が1館だけになるなど、縮小傾向にあるのが見て取れました。この間の混乱にはデザインとはなにかという深い問いがあります。チェコに限らず世界共通ですが、ブルノのビエンナーレがなにがしかの答えを呈示するのを心待ちにしたいと思っています。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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