【チェコ】チェスカーの界隈
2018年10月29日
なにげなく町歩きをしているなかで、とくになにがあるわけでもないのに、不思議と記憶に残る街角があります。
ブルノの場合、チェスカーというトラムの停留所のあたりが、ちょうどそんな街角のひとつだと思います。駅から歩いて行くと、このあたりで旧市街が終わるのもあります。ブルノの街に慣れるにしたがい、この停留所をよく使うのもあります。始まりの終わりというのでしょうか。
ブルノのよさは旧市街に観光客がほとんど目立たないことです。プラハは観光で息苦しいほどですし、ブラチスラヴァも旧市街は観光客と各国の大使館のための場所です。その点、ブルノは旧市街も市民の空間で、生活が息づいています。
近ごろは観光に対して拒否反応を示す街が、ヨーロッパでは少なくありません。やっぱり地元の人の生活感があってこそ、街は光り輝くのだとブルノを見ていると感じます。要はバランスだと思うのですが。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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