【チェコ】ズノイモ紀行 社会主義の名残
2019年3月11日
ズノイモ駅の片隅に、街の特産であるワインの製造過程を描いたレリーフがありました。石に刻まれた、ずいぶん立派なもので、新たにつくるとなるとずいぶんお金がかかりそうですが、いまは見放たれて薄汚れ、ゴミ置き場にさえなっていました。
ワインは今日もズノイモの特産で、シーズンにはワインを目当てにおおぜいの観光客が訪れます。それなのに社会主義の遺物として嫌われる傾向が、とくにチェコでは強いように感じています。それだけ多くの問題が当時あり、もうこりごりだと町の人が訴えているようです。
とはいえ駅前ではマリファナの匂いがどこからともなく漂い、ホームレスの人が警察の職務質問を受けていて、正直、ずいぶん町が停滞しているように受け止めました。それは民主化によって大きく発展したプラハとはちがう、チェコの地方都市に共通する問題です。観光の際はこのあたりもぜひ考えてみてください。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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