【チェコ】ズノイモ紀行 複雑な歴史
2019年3月18日
チェスキー・クルムロフなど、チェコの地方にある多くの観光地と同様、ズノイモの旧市街も駅からずいぶん離れたところにあります。駅に降り立ったときの第一印象はがらりと変わります。
ズノイモの旧市街は切り立った小高い山の上にひらけた、周囲を一望に見渡す場所に広がります。そんな地理的な条件もあり、古くて複雑な歴史を刻んできました。もともとドイツ人が多く、人口のおよそ9割を占めていました。このあたりの背景もチェスキー・クルムロフとよく似ています。
第二次世界大戦の終結により、もともとズノイモに住んでいたドイツ系住民は街から追放され、あるいは強制収容所に送られました。その数は1万人におよぶといわれています。代わりにチェコ人やスロヴァキア人が移り住んできました。
古い建物が残る旧市街を歩きながら、もともとここはどういう街だったのだろうと想像するのは実に興味深いものがあります。歴史は一筋縄にはいきません。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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