【スロヴァキア】イラクサの痛さ
2019年5月20日
アンデルセンの童話に「白鳥の王子」というお話があります。白鳥になった王子がイラクサで編んだシャツで、魔法がとけるというものです。
イラクサというのは雑草で、ぼくの家の庭いつもはえています。ヨモギに似ているので、草餅でもつくるかと匂いをかごうとしたら、触ったとたん、ものすごい痛みが走りました。以来、わが家では「痛い痛い草」と呼んでいます。その痛みはしびれをともない、触ってしばらくつづきます。
この痛みは葉や茎にあるとげに含まれるアセチルコリンとヒスタミンの仕業です。そんなこともあって、イラクサを見ても近づきたくないのですが、この葉を摘んでいる人をときどき見かけます。
なんともお騒がせなイラクサ、花粉症に効能があるとされるお茶にしたり、スープやソースにします。ピューレにしたソースをかけたパスタをご馳走になったことがありますが、これがまたものすごくおいしく、びっくりしました。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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