【スロヴァキア】菩提樹の花
2019年7月 1日
ヨーロッパでは菩提樹が生活と密着しています。ベルリンの有名な繁華街ウンター・デン・リンデンは「菩提樹の下」を意味し、菩提樹の並木道がつづきます。シューベルトの歌曲もよく知られています。
でも、菩提樹に近い品種だけれども、ほんとうはセイヨウシナノキなのだそうです。スロヴァキア語ではリパ、チェコ語ではリーパといい、蜂蜜の蜜源であることから、普段からよく見聞きします。ラベルにLipaと書いてあるので、すぐにわかります。蜂蜜らしい色をして、とくに癖のない、いちばん標準的な蜂蜜かと思います(ちなみにぼくは森の蜂蜜という、色の濃いのが好きです)。
6月半ばごろ、菩提樹の大木が花をつけました。四方に花の匂いを放ち、遠くからでもわかるほどです。蜂や蝶がびっくりするほどたくさんたかり、一日中、楽しそうに花のまわりを舞っていました。ちなみに花が散るとき、花びらが美しく敷き詰められる桜とはちがって風情はなく、ただただ掃除がたいへんです。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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