【チェコ】公共交通と乳母車
2019年8月 5日
プラハのトラムやバス、地下鉄には乳母車のスペースがあり、優先的に利用できます。スロヴァキアもそうですし、ヨーロッパではそれが当然だと思われています。
乳母車はお出かけ用の軽量タイプではなく、石畳の道でもスムーズに押せる、しっかりしたつくりのものがほとんどです。双子用のものもあり、かなりの重量級です。
乳母車をもった人が乗ると、まず周囲のだれかがなかに入るのを手伝います。一人で難なく乗れる低床タイプの車両や、ステップが自動的に出てくる車両も一般化しています。
同時に乳母車のスペースにだれかいれば、すぐに場所を空けます。一連の流れはごく自然に、瞬時におこなわれ、むだがありません。そして降りるときもまた、だれかが手を貸すのです。
ヨーロッパの育児環境に慣れてしまうと、日本でなぜ乳母車が問題になるのか、不思議な気がしてなりません。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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