【チェコ】白くなった国民博物館
2019年9月 9日
プラハのヴァーツラフ広場はさまざまな歴史の舞台となりました。1918年にチェコスロヴァキアが独立したときも、共産体制が崩壊したときも、広場を市民が埋め尽くします。
ヴァーツラフ広場の景観の特徴となっているのが、いちばん奥手にひかえる国民博物館です。この建物が建てられたのは1885年から1890年にかけてのことですが、博物館自体は1818年にさかのぼります。
国民博物館は2011年に閉鎖され、修復がなされてきました。第二次世界大戦中や、1968年のチェコ事件の際に受けた攻撃で、銃弾のあとが残ったりしていたからです。それが昨2018年に部分的にオープンしたのにつづき、今年になって新たな姿を露わにしました。
長年の風雪にさらされて建物はすっかり黒ずみ、それが却って風格を出していました。そのせいもあって新たな姿は真っ白に見えます。まだ見慣れないので「あれ、なんかおかしいぞ」と思ってしまうのですが、そのうち違和感をもたなくなるのでしょうかね。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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